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20240629 執刀医と前立ち(第一助手)

守秘義務、、、


小心者の私は、実際にあった患者さんのことをブログに書くのはいかがなものか?

と、躊躇します


ただし、同様な経験をした方に

少しでも届くといいな、と思って


その方は、自分の命懸けの治療の方針に迷子になっていました


若くして亡くなった父親に対する病院の対応

母親の手術時の医療ミス(医師の立場からは誤解、、、)


その後、自分自身の病気での病院の不誠実、、、


複数の体験から医療不信となり

今回の判断に迷っていました


私は、時々、過去に遡り、それらの記憶を医者側からの一般的な情報を提示することを試みます


勿論、過去の事実はかわらない

しかし、この方のような場合、そこの記憶に新たな情報が加わらなければ、ご自身の未来に影響すると考えるからです


その方のため、と言う正義感ではなく

医師として、常識として知ってる情報を提示するのは義務と思います


その方の母親の手術の時

信頼していた医師の執刀ではなく、

「私が執刀します」と若手が挨拶に来た

信頼する医師も「私が監督するから大丈夫」

と言ったとのこと


その結果は、術後回復がかんばしくなく、母親は数年後に他界されたそうです


元外科医として


執刀医が主役ではありません!


私は、前立ち(第一助手)の先生を一番信頼し尊敬しています


無口なベテラン執刀医から

「やりやすい手術だった」

とねぎらいの言葉


手術はチームワークです!





恐らく、上記ケースは

若手医師が執刀し、信頼していた医師が前立ちをつとめたと思われます


症例の少ない、また困難な手術は経験ある医師二人が、執刀と前立ちを担います


しかし、症例も多く、標準的な術式が確立している場合は、トレーニングを兼ねて、前立ちが執刀医をリードして手術をすすめます


どこの外科でも行われていることです


ベテラン外科医が

患者さんには自分が執刀しますと伝えて

若手が執刀医側に立つことがあります


執刀医は、立つ位置が手術の種類によって患者の右か左側か決まっています


また、手術記録を書くのも執刀医です

この記録の数で専門医申請を行っていきます


先日の患者様には、そのクレーム調の様子から

このお話はできませんでした


貴女のお母様は、その信頼していた医師がリード(前立ち)に回っていた手術であると


私の見てきた外科医、特に男性外科医は無口、口下手が多いです

(ヒト時代前の印象かもしれません)


少しでも、

みなさまの誤解が解け

記憶を塗り替えることができたらと思います


未来のために



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