【学会参加報告】漢方の世界にAIがやってきた

こんにちは。
漢方吉祥の小暮晃子です。

いつも漢方吉祥を応援していただき、誠にありがとうございます。

先日、日本東洋医学会という、漢方に携わる医師たちが全国から集まる大きな学会に参加してまいりました。今年のテーマのひとつが「AIと漢方」。「あの伝統ある漢方に、AI?」と意外に思われる方もいらっしゃるかもしれません。

けれども今、漢方の世界では静かな、しかし確かな変化が起きています。本日はその一端を、皆様にご紹介したいと思います。

なぜ、漢方にAIなのでしょうか

漢方の診察は、実はとても複雑です。

同じ「頭痛」でお困りの方でも、冷えやすい方と、のぼせやすい方では、選ぶお薬がまったく違ってまいります。体格、疲れやすさ、胃腸の調子、眠り、季節の影響……その方まるごとを診て、ようやくお薬を選ぶのが漢方です。

まさに、究極の”あなただけの処方”。

けれども、この複雑さゆえに、「こういう症状の方には、この漢方薬が効きやすい」というデータを集めるのは容易ではありませんでした。ここに、AIやコンピューター技術が力を発揮し始めています。

学会で紹介された、いくつかの取り組み

患者さんの症状を”見える化”する新しい仕組み

東京女子医科大学では、患者さんがご自身のスマートフォンやパソコンから症状を記録できるシステムを新しく導入されたそうです。症状の変化がグラフで一目でわかり、治療の効果を確かめやすくなったとのこと。

「AIは本当に漢方を理解しているのか」を検証する試み

東海大学の先生からは、話題のチャットAIに漢方の問題を解かせてみる、というユニークな研究が紹介されました。結果は、AIによって答えがずいぶんと異なるというもの。「便利だけれど、鵜呑みにするのは危険。やはり専門家の目が必要」という結論に、深く頷きました。

地方のクリニックでも、AIが医師をサポート

北海道函館のクリニックでは、忙しい診察の合間にAIが漢方薬の候補を提案し、患者さんへの説明にも役立てているそうです。都市部だけでなく、地方の医療にもこうした技術が広がっていることを実感いたしました。

感じたこと

古くから続く漢方と、最先端のAI。一見、水と油のようですが、「その方に合った医療をお届けしたい」という願いは、実は同じなのかもしれません。

ただし、AIは万能ではございません。漢方の真髄である「人を診る」という営みは、やはり生身の医師の目と経験に支えられるもの。AIはあくまで、その営みを助ける優秀な”相棒”であるべきだと、私は考えております。

漢方の未来、少し楽しみになりませんか。

これからも、学会や日々の診療で得た気づきを、皆様にお届けしてまいります。
どうぞよろしくお願いいたします。

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